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ペットホテルの同意書作成時に気を付けたいポイント

ペットホテルで発生するトラブル

当事務所では,ペットホテルのクライアントが多くいらっしゃいますが,よくある相談・トラブルは,以下のようなものです。

・ホテルでお預かりしているペットの具合が突然悪くなってしまい,ホテル側の責任を問われている

・ホテルでお預かりしているペットがトリミング中に怪我してしまった

・ホテルでお預かりしている子がスタッフの散歩中に逃げてしまった,他の犬にかまれて怪我をしてしまった

・ホテルでお預かりしている子がスタッフを噛んでしまった,ホテルの設備を壊してしまった,汚してしまった

・飼主様が予定の時間になってもお越しにならず,料金を払ってくれない

・ホテル利用後,何日か経って,「うちの子の具合が悪い」ホテルで何かあったのではないか,と言われてしまっている

このようなトラブルを発生した際に効果を発揮するのが事前に飼い主様と締結する「同意書」です。

本コラムでは、ペットホテル経営者様に是非ご一読していただきたい、同意書作成時のポイントを解説いたします。

同意書の必要性

大切な命を預かるペットホテルの業務性質上,上記のようなトラブルは,ホテルスタッフに落ち度がなくても,発生することが避けらないことがしばしばあります。

そのため,このような事故・トラブルの備えが必要です。具体的には,どのような場合に,どの程度の責任が生じるのか,どういう場合であれば,ホテル側が責任を負わないのか,といったリスクの把握とコントロールを,飼い主様との間で同意書を締結することで行う必要があると言えます。

同意書作成時のポイント

ペットホテル様のご相談をお受けしていると,「開業した時にインターネットで拾った同意書を使っている」とか,「前の店でつかっていたものをそのまま使っている」など,あまり深く考えずに,同意書を作っているオーナーさんがいらっしゃいます。このよう場合,多くは,その店舗の形態に沿っていなかったり,そもそも法的に無効になってしまう内容を含んでいたり,いざトラブルに直面した時に使えない内容になっていることが多くあります。 

法的に有効かつ適切なリスク管理・トラブル予防に役立つ同意書を作成するには,いくつかポイントがありますので,以下説明します。

想定されるリスクをピックアップしておくこと

例えば,お預かりするペットに持病がある,治療中の疾患がある,吠え癖・噛み癖がある等攻撃的である,ワクチンが未接種である・・等,お預かりできないケースがあります。

これらの場合は,お預かりをお断りしたり,或いは別途注意事項を記載した書面を作成する(弊所のクライアントでは,弊所作成の「お預かりチェックシート」というものを使用していただいています)など,対応が必要になります。

お預かりに当たり飼い主様にお願いする事項を明記しておくこと

狂犬病予防接種済票やワクチン接種証明書,いつものごはんやおやつ,おもちゃなど,ペットホテル利用時に持参いただくものの案内も書面にしておくとスタッフが対応しやすいですし,確認漏れがなくなります。

また,ペットのお預かり中にペットの具合が悪くなるなどなにかトラブルがあった場合は,すぐに連絡が取れるようにしてほしいとか,かかりつけの病院に連れていく場合がある,とかその場合の治療費は飼い主様にご負担をお願いすることになる,といったもしもの場合の確認も必要です。

さらに,稀にですが,お引き取りの時間を超過してしまう飼い主さんもいらっしゃいます。その場合の延泊料金の案内や,ごくごく稀にお引き取りにいらっしゃらない方もいらっしゃいます。その場合のペットの扱いをどうするか(ホテル側で引き取ってくれる方を探す等々)も記載しておきたいところです。

消費者契約法に抵触しないよう留意すること

たまにですが,「ホテル側は『一切』責任を負わない」などと記載してある同意書の類を目にしますが,これは消費者契約法8条に違反し無効となります。

事故等が起きた場合のホテル側の損害賠償責任は,「ホテル側に過失がある場合に限る」とか「当該過失と因果関係が認められる損害に限る」など適切な制限を明記することでリスク管理が可能です。

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当事務所はペット事業者様の法的サポートを多く実施しており、もちろん、ペットホテル様のサポートも行っております。

もし、お困りごとがございましたら、ペット法務に特化している当事務所へご相談ください。

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