お知らせ

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弁護士が分かりやすく解説!獣医業に関する広告の制限について

獣医療法について

獣医療法は,飼育動物の診療施設の開設及び管理に関し必要な事項並びに獣医療を提供する体制の整備のために必要な事項を定めること等により、適切な獣医療の確保を図ることを目的とする法律です(同法1条)。

獣医療法における広告規制の概要

「広告」とは

獣医療法の規制を受ける「広告」とは,以下の3要件を充たすものを言います。

・誘因性:飼育者等を誘因する意図があること

・特定性:獣医師の氏名又は診療施設の名称が特定可能であること

・認知性:一般人が認知できる状態にあること

広告に当たる例:CM,新聞雑誌広告,看板,チラシ,DM,広告サイト,バナー表示

広告に当たらない例:学術論文,新聞雑誌の「記事」,施設内で配布するパンフレット

なぜ広告が規制されるのか

誇大な広告等を行ったことにより、十分な専門知識を有しない飼育動物の飼育者等を惑わし、不測の被害を受けることを防止するため,又は価格競争等による獣医療品質の低下を防止するために,広告を規制するものとされています。

広告ができない事項

法に基づく制限事項

獣医療法17条では,技能,療法,又は経歴に関する事項のうち省令で定めるものを除いて広告してはならない,と定めています。「技能,療法又は経歴に関する事項」とは,獣医師が行う診療に関する獣医学的判断や技術に関する能力又は治療方法を言います。

省令に基づく制限事項

獣医療法17条2項では,上記アの制限に関わらず,技能,療法,又は経歴に関する事項のうち省令で定めるものは広告することができるとされていますが,以下の通り制限があります。

比較広告(他の診療施設と比較して優良である旨の広告)

提供する獣医療の内容について,特定又は不特定の診療施設等と自らの診療施設を比較の対象として,自らが他よりも優良である旨を広告してはいけません(省令24条2項1号)。

NG例

  • 「どこの病院よりも安全に手術を行います」
  • 「○○さん(有名人)の猫ちゃんも当院の診断を受けています」
  • 「県内で一番安全安心な病院です」

誇大広告

事実を不当に誇張して表現していたり,飼育者等を誤認させる広告を行うことはできません(省令24条2項2号)。客観的に事実と認めるに足りる根拠のない内容の広告は,飼育者等を誤認させる広告とされています。

NG例

  • 「うちのワクチンは効果抜群です」
  • 「当院の去勢避妊手術は比較的安全です」

費用(料金)の広告

提供する獣医療に関する費用の広告は認められません。低価格競争による獣医療の質の低下を招く恐れがあるからです(省令24条2項3号)。なお,例えば,「費用は電話でお問い合わせください」といった記載は,直ちに低価格を推測させるものではないことから費用の広告とは言えない,とされています。

NG例:「どこよりも安くします」

景品表示法の優良誤認表示規制

いわゆる優良誤認表示の規制があります。景品表示法4条1項において,「商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者 に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して 当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であ ると示すことにより、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれ があると認められる表示」を禁止しています(同項第1号)。

医薬品医療機器等法の虚偽誇大広告規制

医薬品医療機器等法は「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機 器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、 明示的であると暗示的であると問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、 記述し、又は流布してはならない。」(医薬品医療機器等法第66条第1 項)と定めています。

広告可能な事項(獣医療法17条1項1号,2号 同条2項及び省令24条)

専門分野(内科,呼吸器科,外科,歯科等)

対象動物を示す科名(犬猫専門科,エキゾチックアニマル専門科等)

学位又は称号(「獣医学修士」等)

 専門医,認定医等「専門性資格」に関する各種名称は,学位又は称号に含まれないため,広告することができません。

獣医師免許取得日及び病院開設年月日

医療機器を所有していること

 「MRI〇台導入」といったように医療機器の販売名や型式等が特定されない

  一般的な名称で広告することは可能です。

  他方,「MRIによる腫瘍診断を実施しています」など,

  当該医療機器を使用した技能,療法を明記することは広告制限により,できません。

避妊去勢手術を行うこと

 「当院では,犬および猫の濫觴支給の全部摘出による避妊手術を行っています」といった記載は可能です。

  ただし,費用の併記はできません。

予防注射を行うこと

 「狂犬病の予防注射を実施しています」といった記載は可能です。

 ただし,ワクチンのメーカーが特定される販売名等を広告することはできません。

フィラリア症の予防を行うこと

 「月1回の経口投与でフィラリア症が予防できます」といった記載は可能です。

  他方,費用の併記や,「犬回虫の駆除」等効能まで広告することはできません。

健康診断を行うこと:費用の明記はできません。

技能,療法又は経歴に関わらない事項

病院の名称,住所,電話番号

勤務する獣医師の氏名

診療日,診療時間及び予約診療が可能である旨

休日又は夜間の診療若しくは往診を実施する旨

診療費用の支払い方法「クレジットカードの使用の可否」等

入院施設の有無,病床数その他施設に関すること

駐車場の有無,駐車台数,駐車料金

動物医療保険利用の可否

ペットホテルを付属していること,しつけ教室を開催していること,トリミングをしていること

獣医療法における広告規制の留意点

ホームページは「広告」ではない?

獣医療広告ガイドラインによると,動物病院のホームページは,原則として,獣医療法上の広告とはみなされない,としています。ホームページは,病院の情報を得ようとする人がURLを入力したり病院名を検索したりして閲覧するもので,広告の定義における「誘因性」を通常は有さないから,というのが理由です。

ただし,バナー広告やグーグルのリスティング広告,ポータルサイトなど,「誘因性」(及び特定性,認知性)を満たす場合は広告とみなされますので,ご注意ください。

病院以外も広告規制の対象になる

獣医療法だから獣医師にしか関係ない,と思ってはいけません。獣医療法は,広告制限の対象者を「何人も」と明記しています。つまり,規制対象は獣医師に限定されません。

例えば,ペットショップやペットホテルが提携している動物病院の獣医療サービスを勧誘することは,口頭であっても,獣医療法における「広告」に該当し,広告制限の対象になると考えられています(「事例集」1頁)。

まとめ

獣医師の皆様は多忙ですから,広告の類の内容をくまなく確認していない先生もいらっしゃるかもしれません。獣医療広告の規制に精通していない業者の用意した内容でインターネットや新聞雑誌の広告を出してしまうことがないよう,動物病院経営に必要な知識として理解していただければと思います。

当事務所では獣医・動物病院の経営者様に特化した顧問契約プランをご用意しております。

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