トリミングサロン必見!クレーム対応方法のポイントを弁護士が解説
ケース別の対処方法
トリミングの仕上がりに対するクレームと対処法
トリマーは、「思っていたイメージと違った」「仕上がりが気に入らない」そのような飼い主様からの指摘を受けてしまうことがあります。
法的な観点で言えば、買主とトリマーとの間で、どのような契約が成立していたかどうか、という話で、客観的に明らかにオーダーと違うのであればともかく、「なんとなく気に入らない」「イメージと違う」といった飼い主の主観的な好みの問題であれば、返金等をする必要はありません。
とはいえ、飼い主とのトラブルは避けたいものです。仕上がりに関してクレームがあった場合、トリマー(店舗)側としてはどのように対処すべきでしょうか。
クレームというのは、相手の期待が高すぎたり、説明が不十分だったなどの理由で勘違いをしていたりするときにおきやすいものです。
ですので、まずは、施術前に、トリミングのオーダーの内容を丁寧に聞き取り、仕上がりイメージを具体的に説明すること、さらにオーダーの内容をカルテなど客観的に記録しておくことが、大事です。
なお、トリマーの技術不足であれば練習するしかありませんし、お直しの提案をするなどして飼い主様に満足頂けるよう努めることになるでしょう。
ケガをさせてしまったことに対するクレーム
施術中にペットが急に動くなどして、爪を切り過ぎてしまったり、施術台から落下させてしまったりして、ペットに怪我をさせしまうことがあります。飼い主とトリミングサロンとの間には、基本的に、ペットをお預かりしてトリミングを行い、元気にお返ししてあげることが契約の内容と言えますし、怪我をさせしまったことに関しては、大なり小なり、トリマー側の「過失」が認められることが多いと言えます。
ですから、まずは何より、早急にけがの手当てを行う、提携している動物病院で獣医師に診察してもらうとともに、飼い主に対しては誠心誠意謝罪しましょう。大きな怪我の場合は、すぐに飼い主様に連絡することも忘れずに行いましょう。
クレーム対応においては、「ご迷惑・ご心配をおかけしました」といった謝罪文言は、「道義的謝罪」といって、「謝罪=『過失』『法的責任を認める』」という構図にはならないものと理解されています。トラブルの収束のためにも、飼い主に対しては誠意を尽くしましょう。
体調に関するクレーム
特に夏場は熱中症や脱水症状など、トリミング中あるいはその後に、ペットが体調を崩すことがあります。トリミング中は何も問題が見られなかった場合、トリマー側に必ずしも日があるとは限りませんので、体調を気遣いつつも、次回以降特に配慮するといった対応策にならざるを得ないことが多いです。
トリミング後の体調不良に関してはトリミングとの因果関係や店舗側の過失を争うことが十分に想定されます。トラブルが生じた場合は、対応策については速やかにペット問題に詳しい弁護士に相談してみるとよいでしょう。
クレーム対策をするために必要なこと
事前ヒアリングの実施
オーダーや、ペットの性格、持病、体調など、丁寧にヒアリングしておくことが何より重要です。
利用規約・同意書の作成
また、トラブルを避けるには、やはり利用規約や同意書をちゃんと作り、店側が責任を負う場合が如何なる場合かということを明確にしておくべきでしょう。
クレーム内容を口コミとして書かれてしまった場合
飼い主さんがトリミングサロンを探すとき、多くの場合インターネットで検索をしますので、Googlemap等で事実に反する口コミをされることは経営に大きなマイナスとなる可能性があります。
Googlemapの口コミは、Googleに対して削除依頼をすることで削除ができることがあります。この削除依頼は、投稿から何カ月もたってしまうと削除が認められにくくなるので早めに対処しなければないことや、一度削除が認められなかった口コミは二回目以降の請求が認められにくくなる傾向があるので、「素早く1回で」削除依頼をしないといけない一方で、法的根拠を詳らかに主張したり、Googleの削除ポリシーに合致するような依頼をしなければなりませんので、専門家に対応してもらうことが賢明です。
なかま法律事務所では、口コミ被害に悩まされている事業者様向けに「風評被害サポート」のサービスをご用意しております。
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